自閉症は子供の先天的発達障害の1つです

自閉症は子供の先天的発達障害の1つです

「自閉症」は、社会性や他者とのコミュニケーションに支障が生じる発達障害の一種です。
自閉症という病名のイメージからか、よく内気さや、うつ病やひきこもり、対人恐怖症などと混同されますが、医学的にはまったく別物です。

自閉症は、生まれつきの脳の機能障害で、親の育て方や生活環境などは影響しません。「親の愛情不足で自閉症になった」とか「ゲームが原因」といった誤解も多いのですが、そうした間違った認識は早急に改める必要があります。

自閉症では、「人との関わり方が分からない」「コミュニケーションがとれない」「活動と興味の範囲が限られる」という3つが基本的な症状だと考えられています。
自閉症の子供は感覚過敏などがあり、通常と5感の感じ方が異なるため、「臭いに敏感」「触られるのを嫌う」といった傾向や、「視線を合わさない」「手をひらひらさせたり、くるくる回ったり、前後に体を揺すったりを繰り返す」といった動作面での特徴が見られます。多動傾向もあります。

自閉症には、知的障害をともなう「低機能自閉症(カナー症候群)」、知的障害をともなわない「高機能自閉症(アスペルガー症候群)」、ある特定の分野で優れた能力を発揮する「サヴァン症候群」の種類があります。
なお、高機能自閉症とアスペルガー症候群を言語障害のあるなしで区別する場合もありますが、基本的には同じものとみなされています。

3歳以降になると自閉症の確定診断ができるので、「もしかしたら?」と思ったら早めに診断を受けましょう。原因が分かれば早期に治療することができますし、親も療育を通して、子供との接し方がわかるので不安が解消され、適切な生活環境を整えることができます。