排精の異常

排精の異常

精子に異常が認められ、不妊の原因となっていることは、妊娠を望んでいる夫婦において、男性に見られる理由の中では最も多いと言われています。先ほどご紹介した様々な障害以外にも、停留睾丸、睾丸萎縮、精索静脈瘤などの機能不全があったり、精子そのものに異常が見られる奇形精子など、検査してもらうまでは分からない障害が実はたくさんあるのです。また、仮に正常な精子が作られていても、精管が閉塞していたり、先天的に欠損していたり、意図的に切除してしまった場合、正常な射精が出来ません。これは精路通過障害と呼ばれており、不妊の原因の一つとして捉えられています。これらの障害は手術によって精管の通路を開いたり、顕微鏡による受精をするなど、妊娠に向けたアプローチをすることが可能ですが、症状によっては検査をしてみて初めて知った、という方も中にはいるようですから、不妊症の疑いがあった場合、男性に原因が無いかを特定することは、今では必須となっています。

また、通過障害の疑いのある場合、精嚢炎が原因となっていることが考えられ、同時に前立腺炎を併発している可能性が高いと言われています。前立腺炎にかかっていると、発熱や排尿時の痛みを伴うことが多く、日常生活にも支障を来すことが考えられます。不妊症の疑いを解決するために病院へ行ってこのような病気を知る方もいるかもしれませんが、先に前立腺炎の診断を受けてから不妊の理由を知る方もいると思います。正常な精子が正常に排精されているか、ということについても、やはり病院で検査をすることが可能です。