着床と胎児の育成

着床と胎児の育成

無事に受精を終えたとしても、まだ妊娠とは判断されません。卵管で受精を済ませた卵子と精子は受精卵と呼ばれ、細胞分裂を繰り返します。何分割もの細胞分裂が行われ、胚盤胞にまで変化を遂げると、受精卵には突起物が出来ます。また、それと同時に、子宮内膜はその後、更に受精卵を育てていく為の着床の準備をし始めます。受精卵が子宮へと下りて来た後、受精卵は柔突起を子宮内膜に食い込ませ、そこから栄養分を補給します。子宮内膜は、受精卵が胎児として育っていく間の血液のベッドとなるのです。排卵から約7日にしてこの過程は完了し、これをもって着床、妊娠が成立します。受精卵は胎児となり、生まれるまでずっと同じこの子宮の中にいることになります。

受精を終えた後、一週間かけて着床の期間があるということは、排卵のタイミングを見て不妊治療を行ったとしても、それから暫く身体を大事にしながら生活する必要があるかもしれないことがお分かりいただけると思います。妊娠し、出産したいと望んだことがきっかけで、自分やパートナーの身体についてより深く知るようになり、更に身体を充分に労りながら生活することの大切さを知ることになるかもしれません。受精した後でも、妊娠が成立するまでには自分がどうすることも出来ないほど複雑な、様々な過程を経ることに驚く方は多いと思います。こういった情報を知ることで、普段の生活の中でも何か小さな努力として活かすことが出来るのではないでしょうか。